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『剪灯新話』瞿佑(東洋文庫)

『剪灯新話』瞿佑(く・ゆう)、飯塚朗訳(平凡社・東洋文庫)

1965年8月10日初版発行
289頁




目次(収録作品)

巻の一
1 竜宮の饗宴(水宮慶会録)
2 三山の仙境(三山福地志)
3 華亭の旧友(華亭逢故人記)
4 鳳凰の金かんざし(金鳳釵記)
5 聯芳楼情話(聯芳楼記)

巻の二
6 地獄の夢(令狐生冥夢録)
7 天台山の隠士(天台訪隠録)
8 聚景園の女(滕穆酔遊聚景園記)
9 牡丹燈籠(牡丹燈記)
10 渭塘の奇遇(渭塘奇遇記)

巻の三
11 立身出世の神(富貴発跡司志)
12 永州の古廟(永州野廟記)
13 申陽の洞窟(申陽洞記)
14 愛卿のものがたり(愛卿伝)
15 翠翠のはなし(翠翠伝)

巻の四
16 竜王堂の酒宴(竜堂霊会録)
17 天国の裁判官になった男の話(太虚司法伝)
18 冥士の文官となった男の話(修文舎人伝)
19 鑑湖に舟を浮べて(鑑湖夜泛記)
20 緑衣の人(緑衣人伝)

付録
21 秋香亭物語(秋香亭記)
22 梅に寄す(寄梅記)

解説

本書は、〔「中国古典文学全集」に入れたものを、もう一度原書に当って全面的に改訂増補した〕(p.289)もの。

中国の明の時代の怪奇小説集。
竜宮に招待されたり、美女と遊んだり、地獄を見物したり、妖猿を退治したり等々、不思議な荒唐無稽な短篇が並ぶ。文章は読みやすく、簡素な筆致でよい。

本書は、江戸の文芸、落語・歌舞伎・浄瑠璃・講談などに多くの影響を及ぼした。
所収の「牡丹燈籠」が、三遊亭圓朝の「牡丹灯籠」元ネタだというのは有名。また、圓朝の「牡丹灯籠」を元に小泉八雲が再話もしている(『日本雑記 他』)。
「鳳凰の金かんざし」は、「倩女の話」(倩女離魂)と同種の話で興味深い。(「倩女の話」が本書『剪灯新話』に収めらているという情報があるが、正しくない。上述の似た話はあるが、「倩女の話」はない。)

おすすめの本。

[関連]
『中国古典文学全集〈第20巻〉剪灯新話・剪灯余話・閲微草堂筆記・子不語』(1958・平凡社)
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