『近代とホロコースト〔完全版〕』ジグムント・バウマン、森田典正訳(ちくま学芸文庫)
2021年
497頁
目次(収録作品)
1 序章 ホロコースト以降の社会学
2 近代、人種主義、殲滅1
3 近代、人種主義、殲滅2
4 ホロコーストのユニークさと通常性
5 犠牲者の協力を請うて
6 服従の倫理―ミルグラムを読む
7 道徳の社会学的理論に向けて
8 再考―理性と羞恥
補遺 道徳の社会的操作―道徳的行為者、無関心行動
記憶する義務しかし何を?―二〇〇〇年版へのあとがき
近代文明こそ、ホロコーストの必要条件であった―。官僚制、合理主義、進歩主義、分類といった近代的諸要素が、暴力を独占し、社会的制約を受けない権力のもとで結びついたときはじめて、ホロコーストは可能となる。アーレント、レヴィナス、ヒルバーグ、ミルグラムなど諸分野の先行研究を傍に、社会学の視点から近代の「裏面」を抉り、ホロコーストが近代論、文明論、ひいては社会理論に突きつけた批判は、今なお十分に検証されていないことを明るみにして思想界に衝撃を与えたバウマンの主著。文庫化に際して訳文を大幅に改訂し、著者による「二〇〇〇年版へのあとがき」を加えた。
出典:筑摩書房公式サイト