『「痴呆老人」は何を見ているか』大井玄 (おおい・げん)
(新潮新書248)
2008年1月20日初版発行
223頁
著者は、臨床医。
痴呆とはどのような状態か、どう扱われるのか、どう関わればよいのか等を語る。
それから認識について仏教の唯識を説明し論じ、続いて自我について論じる。
また、ひきこもりについても考察している。
中々の良書。
著者の体験やエピソード、引用、取り上げられている事例も興味深かった。
なお正確に言えば本書では、書名にある痴呆老人が「何を見ているのか」はわからない。
その世界の一端を知るには、本書でも引用されている『痴呆老人が創造する世界』がよい。
[参考]
『痴呆老人が創造する世界』阿保順子(岩波書店)(本書p86-87に引用)
『おかあさま、大丈夫よ―命の紅葉のとき』美川漾子(文芸社)(本書p41-43に引用)
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『痴呆の哲学―ぼけるのが怖い人のために』大井玄(弘文堂)
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