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『戦争体験 一九七〇年への遺書』安田武(ちくま学芸文庫)

『戦争体験 一九七〇年への遺書』安田武(ちくま学芸文庫)

2021年
320頁




目次(収録作品)

序章 なぜ戦争体験に固執するか

1(喪われた世代/学徒出陣のころ/「戦後」はまだ終っていない/「執念」と「信仰」について/私の時計は笑っている/転向・挫折・戦争体験/生者の傲岸な頽廃)
2(戦争体験の「伝承」について/追跡者の執念/農民と知識人のあいだ/戦没学生の知性の構造/死者の声・生者の声/サークル『山脈』と持続)
終章 一九七〇年への遺書

戦争体験の伝承ということ、これについては、ほとんど絶望的である―。少年期を日中戦争の戦時下に過ごし、大学在学中に徴兵され、ソ連軍の捕虜となり復員。異常で圧倒的であり、自らの現在を決定づけた戦争体験とその伝承の難しさについて、戦中派である著者が切々と書き綴る。戦後多くの知識人が、体験を思想化・体系化して後世に伝え、反戦・平和を訴える義務と責任を説くなかで、著者はその「語りがたさ」に固執しつづけた。屈辱や憤り、自責、虚しさ、喪失、死への誘惑…。時に感傷的で非生産的と批判されながらも、断片的で矛盾に満ちた自らの戦争体験に留まり、二十年をかけてその「無念」を問うた書。

出典:筑摩書房公式サイト

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