『交易の世界史―シュメールから現代まで』(上下)ウィリアム・バーンスタイン、鬼澤忍訳(ちくま学芸文庫)
上巻
2019年
264頁
目次(収録作品)
第1章 シュメール
第2章 貿易の海峡
第3章 ラクダ、香料、預言者
第4章 バグダッド―広東急行―一日五ディルハムで暮らすアジア
第5章 貿易の味と貿易の虜
第6章 貿易の病
第7章 ヴァスコ・ダ・ガマの衝動
絹、スパイス、木綿、茶、砂糖、そして奴隷…。人類はたえず新奇なもの、希少なものに魅了され、あるいはさらなる豊かさを求めて、砂漠を越え、海を渡り、無数の交易を重ねてきた。それは人間の本能であり、貿易への衝動こそが人類史を左右してきたと著者はいう。交易の歴史は世界の覇権をめぐる文明の興亡史であるだけでなく、そこには人々の欲望がこのうえなく露骨なかたちで映し出されてもいるのだ。本書は数千年にも及ぶその歴史を一望する試みである。上巻は、古代シュメール文明から、スペイン、ポルトガル両国が世界の覇権をアラビア商人たちから奪取する16世紀まで。地図・図版多数。
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下巻
2019年
386頁
第8章 包囲された世界
第9章 会社の誕生
第10章 移植
第11章 自由貿易の勝利と悲劇
第12章 ヘンリー・ベッセマーが精錬したもの
第13章 崩壊
第14章 シアトルの戦い
現代のグローバル化や保護貿易/自由貿易を考えるには、まずその起源を知らねばならない。近年の考古学的発見が明らかにしたように、人類はその黎明期から多種多様な商品を交換してきた。交易は、人間社会が繁栄するための欠かせない土壌であり、ときに諸文明を結びつけ、ときにさまざまな軋轢や凄惨な衝突をも巻き起こす。だが、交易なくして人類はない。知られざるその歴史を、エピソード豊かに圧巻のスケールで描き出した通史。下巻は、オランダ、イギリスなどのヨーロッパ新興国が世界市場に本格的に進出する17世紀から、グローバル化への反発が高まりを見せる21世紀のはじめまで。
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