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『日本人の自伝3 内村鑑三・新島襄・木下尚江』(平凡社)

『日本人の自伝3 内村鑑三・新島襄・木下尚江』(平凡社)(全23巻・別巻2巻)

1981年
388頁




目次(収録作品)

『余はいかにしてキリスト信徒となりしか』内村鑑三
『キリスト信徒のなぐさめ』内村鑑三
『私の若き日々』新島襄
『懺悔』木下尚江

内村鑑三は、キリスト教思想家。上野国高崎藩士の子として江戸に生まれる。《余はいかにしてキリスト信徒となりしか》は、著者が英文で執筆した“How I Became a Christian:Out of My Diary”の邦訳で、キリスト教に接してから信仰を確固たるものとするまでの10年間が描かれている。《キリスト信徒のなぐさめ》は、教育勅語の礼拝を拒否して職を追われ、さらに妻を失って逆境の極みにあった著者が、信仰によって強く生きようとする決意を示した感動を誘う一篇である。

新島襄は、キリスト教教育者。上野国安中藩士の子として江戸に生まれる。アメリカ留学後、同志社英学校(現・同志社大学)を設立した。《私の若き日々》は、滞米中に援助を受けた夫婦に贈った英文の自伝の邦訳である。著者の出生から渡米するまでが記されており、特に、著者が初めてキリスト教に接した時の感動、そして、キリスト教の本場を見るべく、国禁を犯してまで渡米するあたりの叙述はスリリングで、キリスト教による日本の道徳的改革を目指した著者の情熱が伝わってくる。

木下尚江は、キリスト教社会主義者。信濃国松本藩士の家に生まれる。普通選挙運動、廃娼運動、反戦運動に論陣を張った。《懺悔》は、著者が最愛の母を亡くし、社会主義運動を離脱した1906年に執筆。この頃、著者は自らの偽善に気付いて苦悩し、その懺悔として書かれたものだ。死を恐れ、恋に悩み、功名心に揺れる一人の青年の心を、キリスト教がどのように捉えていったのかが描かれており、また、社会主義者として天皇制国家を批判的にみる視点も随所にみられる。

eBookJapan 商品説明より


[関連]
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