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『物語を生きる―今は昔、昔は今』河合隼雄(岩波現代文庫)

『物語を生きる―今は昔、昔は今〈物語と日本人の心〉コレクション2』河合隼雄、河合俊雄編(岩波現代文庫)シリーズ全6冊

2016年
288頁




目次(収録作品)

第一章 なぜ物語か
 心理療法の世界/物語の特性/「もの」の意味/物語と現代/王朝物語

第二章 消え去る美
 物語の祖/うつろう美/見るなの禁/他界への憧れ/翁と娘/かぐや姫の系譜

第三章 殺人なき争い
 物語と殺人/『宇津保物語』と争い/いかに戦うのか/争いと対話/日本人の美意識/自然による解決

第四章 音の不思議
 音と匂い/『宇津保物語』と琴/音の継承/音楽と異界

第五章 継子の幸福
 『落窪物語』/継子譚の種々相/母と娘/復讐のかたち/阿漕の視座

第六章 冗句・定句・畳句――『平中物語』の歌
 歌物語/雅な戦い/イメージ喚起力/審美的トリックスター/歌の伝統

第七章 物語におけるトポス
 場所の重み/『とりかへばや』の場合/『浜松中納言物語』/日本と唐土/転生/何を物語るか

第八章 紫マンダラ試案
 『源氏物語』を読む/女性と男性/女性の物語/紫マンダラ/個としての女性

第九章 『浜松中納言物語』と『更級日記』の夢
 夢の価値/『浜松中納言物語』の夢/夢と現実/夢体験と物語/ものの流れ

第十章 物語を仕掛ける悪
 『我身にたどる姫君』/系図の意味/密通/『リチャード3世』/恨の物語/原罪と原悲

解説 あらゆるものをつなぐ 小川洋子
〈物語と日本人の心〉コレクション 刊行によせて 河合俊雄

(※筆者が読んだのは単行本)

著者は、心理学者。(1928-2007)

本書は、日本の古典文学をユング心理学的に考察したもの。『竹取物語』『宇津保物語』『落窪物語』『浜松中納言物語』『源氏物語』などを分析しているが、その対象の物語を通読していないと著者の考察を判断できない。その意味で本書はハードルが高い。

[関連]
『物語を生きる―今は昔、昔は今』河合隼雄(2001・小学館)単行本
amazon

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