『ベンヤミンコレクション3 記憶への旅』ヴァルター・ベンヤミン、浅井健二郎編訳、久保哲司訳(ちくま学芸文庫)シリーズ全7巻
1997年
670頁
目次(収録作品)
アゲシラウス・サンタンデル
一方通行路
都市の肖像(ナポリ/モスクワ/ヴァイマル ほか)
ドイツの人びと
1900年頃のベルリンの幼年時代
いまだ批評ではないが、しかしその萠芽を孕んでいるなんらかのイメージ―ひとつの面影、ひとつの名、ひとつの瞬間、ある表情、ある匂い、ある手触り、歩行中のちょっとした閃き、記憶に蘇ってきた風景の、また忘却を免れた夢の断片、ある作品のほんの一行、映画の一シーン、成就されることがなかった希望など。現実と幻想のあいだに、経験と夢のはざまに、現在と過去の閾に漂っている想いの断片が思考の運動を開始させる。私的な記憶が歴史の記憶とせめぎあいつつ出会う場所へ、私たちをいざなうベンヤミンの新編・新訳のアンソロジー、第三集完結編。
出典:筑摩書房公式サイト