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『さえずり言語起源論』岡ノ谷一夫(岩波書店)

『さえずり言語起源論―新版 小鳥の歌からヒトの言葉へ(岩波科学ライブラリー 176)』岡ノ谷一夫(岩波書店)

新版2016年
136頁



ジュウシマツの歌には「文法」がある――これが転機をもたらす大発見だった.進化的な起源の異なる小鳥の歌が言語進化の謎に迫るカギとなるのはなぜなのか.初版刊行から七年半を経て性淘汰起源説に相互分節化仮説が加わった.「言語の起源は求愛の歌だった」とする進化のシナリオを,苦労・喜び・興奮満載の研究者人生とともに描く.

出典:岩波書店公式サイト

書名にもあるように本書は、『小鳥の歌からヒトの言葉へ』(2003・岩波書店)の新版。

[関連]
『小鳥の歌からヒトの言葉へ』岡ノ谷一夫(2003・岩波科学ライブラリー)
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目次(収録作品)

1 小鳥の歌とヒトの言葉
小鳥の歌研究の進歩/音声コミュニケーションのいろいろ/小鳥の歌とヒトの言葉の共通点/歌学習の鋳型仮説/小鳥の歌とヒトの言葉の相違点/言語の起源と小鳥の歌

2 複雑な歌をうたうジュウシマツ
『雨の動物園』/ジュウシマツの歌と聴覚フィードバック/小西先生の指摘/歌の複雑さをどう記述するか/歌文法の発見/記号列から有限状態文法を抽出する方法

3 ティンバーゲンの理想
ティンバーゲンの四つの質問/神経行動学者と行動生態学者/神経行動学との出会い/鳥には大脳皮質がない?/うたうために生まれた/行動生態学との出会い/認知情報科学ってなんだ?/ジュウシマツの正体

4 ジュウシマツの歌と四つの質問
その一 進化/その二 メカニズム/歌制御の階層性をつきとめる(メカニズム)/歌の聴覚情報処理(メカニズム)/聴覚と発声の相互作用(メカニズム)/その三 発達/発達の過程で生ずる脳の変化(発達)/歌の可塑性(発達)/その四 機能/性淘汰(機能)/複雑な歌はメスの性行動を刺激するか(機能)/複雑な歌はメスの繁殖行動を刺激するか(機能)/メスは複雑な歌をうたうオスを選ぶか(機能)

5 四つの質問を超えて
歌の文脈と脳活動/コシジロキンパラのメスは複雑な歌を好むか/複雑な歌にかかるコスト/歌文法の進化的シナリオ

6 住環境と歌の複雑さ――台湾での野外調査
ディーコンのマスキング理論/歌の種認識機能/コシジロキンパラ個体群の違い/台湾での苦労話

7 氏か育ちか
里子実験/いいかげんなジュウシマツ,きまじめなコシジロキンパラ/里帰り実験/学習可能性と鋳型/学習の制約から歌の進化へ

8 歌は編集され学ばれる
自由交配実験/歌の分節化――DJをやるヒナたち

9 さえずり言語起源論――歌文法から言語の文法へ
文法の性淘汰起源説/相互分節化仮説/さえずり言語起源論

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