『増補新装版 共生の作法―会話としての正義』井上達夫(勁草書房)
増補新装版2021年
320頁
目次(収録作品)
第一章 正義論は可能か
一 「セーギの味方」
二 「正義よりも平和を」
三 階級利害還元論
四 相対主義
五 「それで?」
第二章 エゴイズム──倫理における個と普遍──
一 正義と不正
二 形式的正義の「内容」
三 正義とエゴイズム
四 ディケーの弁明
第三章 現代正義論展望
一 問題状況
二 正義の概念
三 正義理論の諸類型
四 論争への招待
付説一 内在的制約説について
付説二 規範経済学の新展開──塩野谷祐一氏の近著に寄せて──
第四章 リベラリズムと国家──社会契約説の可能性と限界──
一 国家論と正義論の接点
二 自然状態モデルの構造
三 自然状態モデルと契約モデルとの関係
四 契約モデルは無用か
五 合意モデルの再構成──ロールズとノーズィックの場合──
六 自律と他律
第五章 会話としての正義──リベラリズム再考──
一 「正義嫌い」と「リベラル好き」
二 リベラリズムにおける正義の基底性
三 社交体と会話──リベラリズムの社会像──
[増補] 三五年後の「共生の作法」──私の法哲学的原点へ──
一 反時代的精神の挑戦
二 価値相対主義の倒錯を正す
三 正義概念の批判的再編──自己の恣意と欺瞞を裁く理念としての正義
四 民主国家を破壊する狂気の暴走──いまこそ「共生の作法」としての正義へ
「現代日本社会のなかでの正義を原寸大の姿において問いなおし、異質な自律的人格の共生という社交体の理念を求めて「会話としての正義」の構想を提示する、現代自由学芸の騎士による挑戦の書」として若き日の著者のもとで誕生し、サントリー学芸賞を受賞した本書。35年後の増補論考を加え、いまあらためて「正義」に向き合う。
出典:勁草書房公式サイト
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