『源氏と漱石 千夜千冊エディション』松岡正剛(角川ソフィア文庫L-500-27)
2023年
416頁
目次(収録作品)
第一章 源氏という構想
紫式部 『源氏物語』
第二章 古典の風味をつなぐ
小西甚一 『日本文学史』
高橋睦郎 『読みなおし日本文学史』
藤原公任選 『和漢朗詠集』
建礼門院右京大夫 『建礼門院右京大夫集』
保田與重郎 『後鳥羽院』
西行 『山家集』
後深草院二条『とはずがたり』
伊地知鐵男 『連歌の世界』
今泉準一 『其角と芭蕉と』
江宮隆之『井上井月伝説』
第三章 近代との遭遇
磯田光一 『鹿鳴館の系譜』
尾崎紅葉 『金色夜叉』
正岡子規 『墨汁一滴』
夏目漱石 『草枕』
豊福健二 『風呂で読む漱石の漢詩』
森鴎外 『阿部一族』
森茉莉 『父の帽子』
幸田露伴 『連環記』
小林勇 『蝸牛庵訪問記』
會津八一 『渾齋隨筆』
斎藤茂吉 『赤光』
堀口大學 『月下の一群』
島崎藤村 『夜明け前』
「源氏」と「漱石」を結んで浮かび上がる、日本の近代化と伝統
平安の『源氏物語』から明治の近代化を経て『夜明け前』に至るまで、日本文学はどのような伝統を引き継ぎ、いかに近代化してきたか。「源氏」という構想の妙を紐解き、古典と近代を繋ぐ、新しい日本文芸史。
「源氏」と「漱石」をつないでみたいと思ってきた。「もののあはれ」と「可哀想だた惚れたってことよ」である。途中には右京大夫、西行、後鳥羽院、連歌、芭蕉、西鶴、井月たちがいて、主人公をあからさまにしないスタイルを試みてきた。しかし「漱石」以降、近代文学は主人公を用意して、その「創(きず)」を描くことにした。何かの「夜明け前」だったのか。出典:KADOKAWA公式サイト