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『渡部昇一の中世史入門―頼山陽「日本楽府」を読む』(PHP文庫)

『渡部昇一の中世史入門―頼山陽「日本楽府」を読む』渡部昇一(PHP文庫)シリーズ全3巻

2014年11月19日第1版第1刷
355頁
定価:748円(税込)




目次(収録作品)

第24闋 鼠巣馬尾(ねずみばびにすくふ)―源頼朝挙兵の舞台裏
第25闋 鵞鴨起(があふたつ)―「富士川の戦い」の意外な勝因
第26闋 鼓撃余(つづみわれをうつ)―旭日将軍・木曾義仲の運命
第27闋 逆櫓(さかろ)―源義経失脚の原因
第28闋 大天狗(だいてんぐ)―頼朝と義経 宿命の対決
第29闋 獅子身中蟲(しししんちゆうのむし)―名参謀・大江広元
第30闋 繰絲(さうし)―静御前の悲しい運命
第31闋 尼將軍(あましやうぐん)―尼将軍・北條政子
第32闋 吾妻鏡(あづまかがみ)―『吾妻鏡』が語る覇権争い
第33闋 君好戰(きみたたかひをこのませらる)―承久の乱の悲惨な結末
第34闋 補窓紙(さうしをおごなふ)―『貞永式目』を実践した執権の母
第35闋 蒙古来(もうこきたる)―蒙古軍に勝てた本当の理由
第36闋 南木夢(なんぼくのゆめ)―楠木正成の戦い方
第37闋 十字詩(じふじのし)―「建武の中興」失敗の原因
第38闋 東魚西鳥(とうぎよせいてう)―『太平記』の世界
第39闋 竜馬来(りようばきたる)―「建武の中興」に見切りをつけた名補佐役
第40闋 土窟(どくつ)―護良親王暗殺の真相
第41闋 翻覆手(はんぷくしゆ)―赤松円心の翻意
第42闋 剣截箭(けんやをきる)―尊氏と義貞 宿命の対決
第43闋 鳥頭白(うとうしろし)―南朝痛恨の失策
第44闋 吾是璽(われはこれじ)―足利兄弟の骨肉の争い
第45闋 六分一(ろくぶいち)―天下の六分の一を制した山名一族
第46闋 両塊肉(りやうくわいのにく)―鎌倉公方を諫めた名管領・上杉憲実

著者は、英語学者、評論家。(1930-2017)

本書は、頼山陽の漢詩『日本楽府』を訳し解説したもの。頼山陽は、江戸時代の歴史家、漢詩人で、『日本楽府』は彼がわが国の歴史から絵(詩)になる場面を詠じ、それを時系列順に全66闋(けつ)にまとめたもの。

本書は、「中世篇」として第24から第46闋までを収めている。
親族同士や主君と家臣の裏切り裏切られの複雑な人々の錯綜が、退屈な部分があるが、よい闋も結構あっておもしろい。扱われることが少ない中世の出来事の一端を知ることができ、興味深かった。なかなかおすすめ。

[関連]
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