『性の境界 千夜千冊エディション』松岡正剛(角川ソフィア文庫L-500-29)
2023年
480頁
目次(収録作品)
第一章 性の多様性
リン・マーグリス&ドリオン・セーガン『性の起源』
リチャード・ミコッド『なぜオスとメスがあるのか』
ジョー・ダーデンスミス&ダイアン・シモーヌ『セックス&ブレイン』
デボラ・キャドバリー『メス化する自然』
ジューン・シンガー『男女両性具有』
リーアン・アイスラー『聖杯と剣』
エヴリン・フォックス・ケラー『ジェンダーと科学』
第二章 母・女・差別
エーリッヒ・ノイマン『女性の深層』
ヨハン・ヤコプ・バハオーフェン『母権制』
リュス・イリガライ『性的差異のエチカ』
ジュリア・クリステヴァ『恐怖の権力』
上野千鶴子『女は世界を救えるか』
トリン・T・ミンハ『女性・ネイティヴ・他者』
ジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル』
小谷真理『女性状無意識』
ダナ・ハラウェイ『猿と女とサイボーグ』
第三章 ゲイ感覚で
植島啓司『男が女になる病気』
マルク・ボナール&ミシェル・シューマン『ペニスの文化史』
ポール・ラッセル『ゲイ文化の主役たち』
オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肖像』
ジャン・コクトー『白書』
アレン・ギンズバーグ『ギンズバーグ詩集』
ウィリアム・バロウズ『裸のランチ』
デレク・ジャーマン『ラスト・オブ・イングランド』
マヌエル・プイグ『蜘蛛女のキス』
伊藤文学『「薔薇族」編集長』
三橋順子『女装と日本人』
クレア・マリィ『「おネエことば」論』
第四章 エロスとLGBT
シャルル・ド・ブロス『フェティシュ諸神の崇拝』
ノーマン・ブラウン『エロスとタナトス』
カミール・パーリア『性のペルソナ』(上下)
イブ・コゾフスキー・セジウィック『クローゼットの認識論』
森山至貴『LGBTを読みとく』
工藤万里江『クィア神学の挑戦』
石井達朗『異装のセクシャリティ』
キャサリン・ハキム『エロティック・キャピタル』
美輪明宏『ああ正負の法則』
原始、人間の性は無数にあった。人よ皆、クィアたれ。
人間にとって「性別」とは何か? 生物としての性差がどのように成立しているかの科学的な問いから始まり、女性が母としての役割を担いながらも差別された歴史とそれに対するアンチテーゼとしてのフェミニズムについて、ゲイであることの真摯な葛藤と彼らが築いてきた文化的豊かさについて、そして、人間の根源的なエロスに基づいてLGBTQ+をどのように考えてゆくのかについて。生物学から神学へ。無性生殖から有性の交換へ。人間がありのままの生/性を謳歌しようとする現代を言祝ぐ、松岡正剛渾身のセクシャリティ論。
出典:KADOKAWA公式サイト