『驚くべき日本語』ロジャー・パルバース、早川敦子訳(集英社文庫)
2020年1月25日第1刷発行
213頁
目次(収録作品)
第1章 言葉とは何か
第2章 日本語は曖昧でもむずかしい言語でもない
第3章 日本語―驚くべき柔軟性をもった世界にもまれな言語
第4章 世界に誇る美しい響きの日本語とは
第5章 「世界語」(リングア・フランカ)としての日本語
解説 私とロジャーと日本語 筒井康隆
著者は、米国出身のユダヤ人。作家、翻訳家、劇作家ほか。
本書は、日本語についてのエッセー。
日本語は、日本人にだけ理解できる特殊な言語ではない、日本語はあいまいではない、日本語は難解な言語ではない等を主に述べている。また、宮沢賢治の文章を例に、日本語の響きのうつくしさについてなども論じている。
内容が薄い。述べられていることは、ほとんどが「常識」の部類である。
また、本論とは関係ないが、(日本の)歴史的な事柄については見識が浅く、間違った認識が散見される。一例だけ示す。
(p.180)
台湾に続いて、次々に朝鮮、満州、中国のいくつかの都市と東南アジア、南アジア、南太平洋の国々が大日本帝国に併合されました。
単行本の刊行は2014年。この頃になっても、上記のような誤った認識が、西洋人などの間で普通に見られるのは嘆かわしい。一体、彼らはこのような間違った情報をどこで学ぶのだろうか?
[関連]
『驚くべき日本語』ロジャー・パルバース、早川敦子訳(2014・集英社インターナショナル)(単行本)
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