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『英霊―世界大戦の記憶の再構築』ジョージ・L・モッセ(ちくま学芸文庫)

『英霊―世界大戦の記憶の再構築』ジョージ・L・モッセ、宮武実知子訳(ちくま学芸文庫)

2022年
416頁




目次(収録作品)

第一章 新しい戦争
1 起盤となるもの

第二章 義勇兵の戦争
1 革命戦争から解放戦争へ
2 ギリシア独立戦争

第三章 神話の創作
2 第一次世界大戦

第四章 青年と戦争体験

第五章 英霊の祭祀
1 神話とキリスト教
2 埋葬地
3 無名戦士の墓
4 戦争モニュメント

第六章 自然の流用
1 自然
2 山
3 空

第七章 陳腐化の過程
1 玩具・絵はがき・子供たち
2 演劇・映画・観光旅行
3 戦後の時代

第八章 ドイツ政治の残忍化

第九章 戦争の継続
1 「新しい人間」
2 スペイン内戦
3 平和主義

第十章 第二次世界大戦、神話、戦後世代
1 断絶
2 英霊祭祀の衰退
3 顕彰から警告へ

解説 『英霊』の遺したもの(今井宏昌)

近代戦争による大量死はいかに克服され、それはどのような政治的帰結をもたらしたか。仲間意識や男らしさ、自由のための意義ある戦争―フランス革命以来、義勇兵が紡ぎ出し、詩や軍歌、文学作品等を通じて支持された神話は、記念碑や戦没者墓地によりシンボル化され国民に共有された。西欧諸国で起きた「戦争体験の神話化」はキリスト教や自然崇拝を取り込んで発展し、英霊祭祀により死をも統合して、戦争への馴致と政治の残忍化を導いていく。それは第一次大戦後のドイツで頂点に達した…。18世紀末から第二次大戦後までを射程に、神話が犠牲に満ちた現実を覆い隠し、戦間期政治に影響する様を克明に描く。全面改訳。

出典:筑摩書房公式サイト

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