『謎の独裁者・金正日―テポドン・諜報・テロ・拉致』佐々淳行(文春文庫)
1999年2月10日第1刷発行
370頁
定価:607円(税込)
目次(収録作品)
第1部 北朝鮮編
第1話 不気味な独裁者・金正日―テポドン発射、テロリスト支援国家から軍事的脅威へ
第2話 深夜の諜報無線―知られざる北朝鮮のスパイ狩り
第3話 金日成閣下の無線機―山形温海事件の屈辱
第4話 青瓦台武装ゲリラ事件―何のために誰の指示で?
第5話 文世光事件の謎―なぜ日本警察の拳銃が
第6話 マインドコントロールされた金賢姫―大韓航空爆破事件
第8話 許せない邦人拉致事件―偽ドルまで造る北朝鮮
第9話 八月は魔物の住む月―”嵐を呼ぶ男”
第2部 KGB編
第10話 落ちた偶像・KGB―宮永事件・コズロフ大佐の空しい昇進
第11話 「剣」と「盾」のKGB―過去のカゲ引く対日諜報活動
第12話 スパイ・キャッチャーの悲哀―「鋼鉄の剣」対「ブリキの盾」
第13話 トラになったKGB―日本警察のささやかな反撃
第14話 ”ミコヤン少将”の8ミリカメラ―遂に突きとめたKGB機関長
第15話 リンゴの小枝と鶏の骨―シシェリャーキン事件の大空振り
第3部 余話
第16話 シュタージ(東独秘密警察)の悲劇―トラの檻に放りこまれたキツネ
第17話 一級建築士・田中角栄閣下―中国の情報活動は“上忍”
第18話 ネグシ・ハベシ国大使の犯罪―ジーグラス事件の奇妙キテレツ
第19話 お粗末な二件のハイジャック事件―機長、一緒にテンコクへ行こう
第20話 歴代韓国大統領の悲劇―亡命・暗殺・死刑宣告
終話 金大中事件の回想―大統領として帰ってきた金大中氏
解説 岡崎久彦
※本書は、『金日成閣下の無線機』に大幅な加筆訂正をし、改題し文庫化したもの。
著者は、防衛施設庁長官などを務めた警察・防衛官僚で評論家。(1930‐2018)
本書は、著者が経験した北朝鮮およびソ連のKGB関連の事件を書いたもの。
著者の文章は、当時の事細かな情報とユーモアが特長だが、北朝鮮編は内容が洒落にならないせいかユーモアはない。失敗談や珍事件もある第2部以降が、まあまあ興味深い。
[関連]
『金日成閣下の無線機』佐々淳行(1992・読売新聞社)単行本
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