『昔ばなしの謎―あの世とこの世の神話学』古川のり子(角川ソフィア文庫)
2016年9月25日初版発行
268頁
目次(収録作品)
第1話 桃太郎―桃太郎はなぜ犬と猿と雉を連れていくのか
第2話 かちかち山―トリックスター、稲羽の素兎の末裔たち
第3話 花咲爺さん―お爺さんはなぜ犬の灰をまくのか
第4話 浦島太郎―分断された乙姫の玉手箱
昔ばなしの論理を読み解く①
第5話 鬼の子小綱―笑いと性の力が春を呼ぶ
第6話 三枚の護符―便所はあの世の出入り口
第7話 蛇婿入り―苧環はなぜ蛇を退治するのか
第8話 蛇女房―無欲と貪欲の報酬
昔ばなしの論理を読み解く②
第9話 産神問答―魂を掃き出す箒の力
第10話 ミソサザイは鳥の王―仁徳はいかにして聖帝になったか
第11話 ホトトギスと兄弟―夜鳴く鳥の悲しい前世
第12話 鉢かづき姫―顔を覆い隠す花嫁
第13話 一寸法師―脱皮する少年たち
※本書は、『昔ばなし あの世とこの世を結ぶ物語』に、大幅に加筆修正し、改題して文庫化したもの。
著者は、神話や昔話などの研究者。
本書は、ある昔話と他のそれの、また、記紀神話などとの共通点などを分析し、昔話の「構造」を論じたもの。
この分野に興味のある人にはなかなか興味深い。前提の知識として『古事記』は読んでおいた方がよい。
[関連]
『昔ばなし あの世とこの世を結ぶ物語』古川のり子(2013・山川出版社)単行本
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