『日本語をみがく小辞典〈動詞篇〉』森田良行(もりた・よしゆき)(講談社現代新書919)
1988年10月20日初版発行
214頁
著者は国語学者。
本書は、『日本語をみがく小辞典〈名詞篇〉』の続編。
「する」「集まる」「流れる」など、基本的な動詞を45とりあげ、それぞれの動詞についてエッセー風に論ずるという構成。
冗談なのか何なのか(冗談だとしても不見識だが)、おかしな見識が所々みられる。以下にひとつあげる。
p.82
中国では(略)「罪を悪んで人を悪まず」(孔子の言葉)式の道徳観の盛んなお国柄なればこそで(略)、わが国のように「恨み骨髄に徹する」(深く人を恨む)とか、「恨みを買う」「恨みを晴らす」式の慣用句が愛用されている社会では、かんたんに殺人に走る素地が大ありだ。
「おかしな見識」には問題があるが、「ことば」好きなら軽いエッセーとして一読してみてもよい本。
書名に「辞典」とあるが索引もついていなく全く辞典ではない。
※シリーズ3冊をまとめた角川ソフィア文庫版が刊行された。(こちらには索引があるようだ(「目次」での確認のみ))
[関連]
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『日本語をみがく小辞典』森田良行(2019・角川ソフィア文庫)