2010年
224頁
目次(収録作品)
1 ありのまま(室町武家貴族の生き方/戦国武将の生き方/興廃を道義にかける/女侍批判/事実に生きる/いいわけの否定)
2 名と恥(鎌倉武士と名/名と主従関係/自敬と名/自他・内外の一体観)
3 死の覚悟(死のいさぎよさ/覚悟の悲壮性/『葉隠』と仏教/士道論における死)
4 閑かな強み(勝負の構/礼儀と強み/詞の働き/武士の一諾/理想としての非情)
5 卓爾とした独立(手の外なる大将/大丈夫の気象/草莽崛起論/明治の「独立の精神」)
“彼は「侍(さむらい)」である”という表現が今日でもしばしば使われる。では、侍とはいかなる精神構造・姿勢を指すのか――この問いから本書は書き起こされる。主従とは、死とは、名と恥とは……。『葉隠』『甲陽軍鑑』『武道初心集』『山鹿語類』など、武士道にかかわるテキストを広く渉猟し、読み解き、日本人の死生観を明らかにした、日本思想史研究の名作。
出典:講談社BOOK俱楽部
原本は、1968年刊・塙書房。