『日本語の技術―私の文章作法』清水幾太郎(ゴマブックス)新書
1977年1月10日初版発行
223頁
著者は、社会学者・評論家。(1907-1988)
本書は、『私の文章作法』(1971)に加筆した改訂版。
文章についてのエッセーのような本。語ったものを元に書かれているらしく、軽い調子で文字通り語るような文章で書かれている。
参考になる部分もいくつかあるが、具体例を示していないのがよくない。
たとえば、戦前の作家の文章を手本にするとよい、と述べているが具体的に誰の文章かは示されていない。
また、新聞の文章を真似するのはやめたほうがよい(p.30~)、というのも全くその通りだと筆者も思うが、これも具体的には論じられない。そういう箇所がけっこうある。
話すことや講演について述べている第4章は、著者の経験をもとに具体的にわかりやすく語っている(のだが)。
[関連]
『私の文章作法』清水幾太郎(1971・潮出版社)新書
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『私の文章作法』清水幾太郎(1995・中公文庫)上記の復刊。
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[参考]
「清水幾太郎における文体の変遷」大久保孝治