『明治日本の女たち』アリス・ベーコン、 矢口祐人・砂田恵理加訳(みすず書房)
2003年
351頁
定価:2,400円(税別)
目次(収録作品)
子ども時代/教育/結婚と離婚/妻として、母として/年老いてから/宮廷の世界/城と屋敷での生活/侍の女たち/田舎の暮らし/都会の生活/召使いの生活/家庭のなかで/この十年の進歩
女子留学生、山川捨松のホストファミリーとなった縁で津田梅子を知り、少女時代から日本への憧憬をはぐくんだアメリカ女性——著者は、1888年と99年に日本を訪れ、華族女学校や東京女子高等師範学校、のちには女子英学塾でも教鞭をとった。封建時代が去って、女性をとりまく環境も考え方も激しく変わりつつあった時代に、宮中の高貴なあたりから華族の上流夫人、都会の中流家庭の主婦、農婦、女学生まで近しくふれあった著者の、偏りのない視線がとらえた明治日本の女たち。
それから1世紀のあいだに、この国はなにを獲得し、なにを失ってきたのだろうか。しだいに失われゆく古き日本の面影を愛惜の念をこめて点描しながらも、エキゾチックなものめずらしさを書きつらねた旅行記に終わらない、日本論・日本女性論。
出典:みすず書房公式サイト
原題『Japanese girls and women』
[参考]
『華族女学校教師の見た明治日本の内側』アリス・ベーコン、久野明子訳(中央公論社)