『GHQ焚書図書開封2―バターン、蘭印・仏印、米本土空襲計画』西尾幹二(徳間書店)
2008年
391頁
目次(収録作品)
第一章 従軍作家が見たフィリピン戦場最前線
火野葦平「バタアン半島總攻撃從軍記」を読む
アメリカ軍は食糧不足で自壊した
荒涼とした戦場に甘やかなアメリカ映画音楽が流れた
最前線で兵たちはユーモラスな家族の話などを交わす
「死」に親和した兵士の肉体
炎熱下、火山灰地を必死の行軍
第二章 「バターン死の行進」直前の状況証言
最初にフィリピンの独立を承認したのは日本である
怪しいフィリピン人捕虜、疲れきったアメリカ人捕虜
バターン半島に逃げ込んだフィリピン難民たち
捕虜の群れは延々と続いた
トリガン、チン、ドン、サドラーという珍客
アメリカ人捕虜の安らかな夜
運命と闘った人々を貶めることは許されない
第三章 オランダのインドネシア侵略史(1)
「蘭領インドシナ」の地政学
イギリスとオランダの間の領土の分けっこ
欧州内戦をやめる代わりに植民地収奪合戦へ
悪魔の「強制栽培制度」
収奪への反省も生まれるものの―
オランダ人学者が告発したオランダ植民地経営
西洋諸国のしたたかさ
第四章 オランダのインドネシア侵略史(2)
「植民地支配」三つの段階
強制栽培制度から自由生産への移行
マラッカ海峡をめぐるイギリスの狡猾
四十年続いたアチェ戦争でオランダは消耗し没落した
大東亜戦争への流れ
イギリスにしてやられた「二十世紀の歴史」
第五章 日本軍仏印進駐の実際の情景
仏印進駐の目的は何であったか
ベトナムを中心とした当時の情勢
日本軍進駐後のサイゴンの変貌
にわかに対日協力を訴えだしたベトナムのフランス語新聞
日本民族は「世界で最も道義的であり、公明だ」という評
日本軍の規律に驚くサイゴン市民
悪宣伝に惑わされず日本軍の真の姿を知ってほしい
第六章 日本軍仏印進駐下の狡猾惰弱なフランス人
イギリスとフランスの植民地獲得競争前史
フランスがインドシナを足場に狙う先は中国
「抗日」の手伝いをするフランスのセメント会社
クローデルの「ペタン元帥讃歌」
援蔣物資を流し続ける抜け目のないフランスの卑劣
シナ人のふてぶてしいまでの生命力
植民地におけるフランス兵の姿
日本の外務官僚は当時から弱腰で歯がゆかった
第七章 人権国家フランスの無慈悲なる人権侵害
いま「歴史解釈上の侵略」がはじまった
自分の過去の悪を意識しようとしないフランス人
独立したくてもまだできない現代の植民地ニューカレドニア
ちりぢりにされたニューヘブライズ諸島の原住民たち
核実験とゴーリズム
プライド高いベトナム人
上流ベトナム人がフランス仕込みの「自由」を訴えたとたん―
政治犯収容所の悲惨な地獄
「無慈悲で、不親切で、利己的な」フランス人
西洋人の批判精神に遅れをとっている日本の知識人、官僚たち
第八章 アジア侵略の一全体像(1)
「侵略国家」は欧米に付けられるべき
開戦前英仏米ソの四か国の領土が地表の五八%だった
シナ人奴隷の悲惨と清朝政府の無自覚
ロシアの暴虐と侵略に苦しむ中国の民衆
国王まで幽閉されたビルマの悲嘆
欧米諸国は四百年かけ太平洋の島々を手に入れた
第九章 アジア侵略の一全体像(2)
侵略の四段階とは何か
新興勢力ロシアの中央アジア席巻
イスラム諸国を騙し続けた英仏の悪辣
イギリスとロシアが甘言を弄して籠絡したアフガニスタンとイラン
新疆をむしり取るロシアの貪欲
チベットを食い物にしたイギリスの手口
英露から現中国政府が学んだチベット抑圧法
第十章 『太平洋侵略史』という六冊本シリーズ
「世界興廢大戰史」という壮大なシリーズ本
『太平洋近代史』概観
海外でも知られていた日本人の「勇武」
仲小路彰という人
『太平洋侵略史』第一巻~日本北進の先驅者たち
『太平洋侵略史』第二巻~高まる国防論、攘夷論
日本を救った林子平の先見力
今の日本にこそ『海国兵談』の精神を
第十一章 大川周明『米英東亞侵略史』を読む
マハン『海上権力史論』について
ロンドン軍縮会議に注目した大川周明
アメリカの狙いは「太平洋支配➝シナ進出」
日本を追い詰めたのはアメリカの尊大横暴である
ロンドン軍縮会議でほめ殺しでバカにされた日本
アメリカに日本の決意をなぜ早めに知らせなかったのか
幣原喜重郎の「弱腰外交」が墓穴を掘った
ロシアから中国や朝鮮の領土を守ったのは日本である
甦る大川周明の予見
第十二章 『米本土空襲』という本
追い込まれた日本人の絶叫
「米本土撃つべし」の怪気炎
もし巨艦の代わりに大型爆撃機を開発していたなら―
昭和十八年当時の状況
B29「空襲」の思い出
次第に「精神論」に傾いていった日本人
※1~6巻までは、文庫化。また、全12巻電子版あり。