単行本・ソフトカバー
平成22年(2010)12月18日初版発行
389頁
著者は、ドイツ文学者、評論家。
著者の著作、雑誌や自身のブログで発表した評論の反響、批判などをまとめている。一般の人のサイトやコメント、私信も多い。
7章の構成。
第1章は、西尾幹二「皇太子さまに敢えて御忠言申し上げます」(『WiLL2009年5月号』)とその続編の論文の反響。
第2章は、「田母神論文」に対しての評価が対極である著者と秦郁彦との対談。『諸君!』2009年4月号に掲載された「『田母神俊雄=真贋論争』を決着する」が収められている。
第3章は、『GHQ焚書図書開封』の書評。
第4章は、著者29歳の時の論文「私のうけた戦後教育」(『自由』昭和40年(1965)7月号)が全文収められている。
第5章は、三島由紀夫が主題。著者の、2008年憂国忌記念講演「限界を超えた『芸術と実行』の分離の理念」が収められている。
第6章・7章は、著者の著作の書評や日々の出来事をつづった文章など。
『真贋の洞察』『江戸のダイナミズム』
内容の濃い書である。
特に、第2章の対談と第4章の評論がよかった。この教育についての評論はとても29歳の人物が書いたとは思えない文章かつ内容のもので、いまも十分に読むに値する。
高校生くらいの若い人にもおすすめの本。
なお、本書p.316に『諸君!』の座右の銘についての企画が文春新書になる、とあるがこれは『朝礼・スピーチに使える座右の銘77』(文春文庫)という形になって刊行されている。
[参考]
『皇太子さまへの御忠言』西尾幹二(ワック)2008単行本・2012新書
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