『ねむり姫の謎―糸つむぎ部屋の性愛史』浜本隆志(講談社現代新書)
1999年7月20日第1刷発行
202頁
目次(収録作品)
第1章 『ねむり姫』のルーツ
第2章 グリム童話の舞台裏
第3章 糸つむぎと女性
第4章 糸つむぎ部屋の習俗
第5章 愛の風俗史
第6章 風紀紊乱の温床?
著者はドイツ文学者、ドイツ文化論、比較文化論が専門。
グリム童話の『いばら姫』(ペロー童話集では『眠れる森の美女』)の中の王女が指に糸巻き棒(錘)を刺して眠ってしまうという場面がなにを表しているのかの考察。また、グリム兄弟による話の改変の狙いや背景、ヨーロッパの糸紡ぎ部屋の習俗と教会による規制を論じる。
なかなか興味深い本。童話や糸巻き棒・糸紡ぎ部屋に関連する絵が多数収められていてそれも興味深い。