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『日本人の自伝6 福田英子・金子ふみ子・相馬黒光』(平凡社)

『日本人の自伝6 福田英子・金子ふみ子・相馬黒光』(平凡社)(全23巻・別巻2巻)

1980年
495頁




目次(収録作品)

『妾の半生涯』福田英子
『何が私をこうさせたか』金子ふみ子
『黙移』相馬黒光

《妾の半生涯》は、岡山藩に生まれ、婦人解放運動家として活動した福田英子の半生を綴った書。本書の中心は、自由民権運動の激化事件として有名な大阪事件の記述である。事件に参画して逮捕され、未決監に収容されていた時に書いた「獄中述懐」の章は、女流民権家の論理を示す記念碑的文章であり、資料的価値が非常に高い。全体を通して著者の漢学の素養が発揮され、しっかりとした文章で記された書である。

《何が私をこうさせたか》は、関東大震災後に愛人の朴烈とともに大逆罪に問われた金子ふみ子が、獄中で記録した手記。両親の不和、出生届が出されなかったことによって小学校の入学を拒否された悲しみ、そして9歳にして渡った朝鮮で親族から受けたすさまじい虐待……。幼い頃から辛酸を嘗めることによって社会の矛盾や不合理が何であるかを知り、その変革への強固な意志を形作っていく著者の軌跡が、リアルに描き出されている。

「男勝り」という言葉がぴったりな強烈な自我と行動力を持っていた相馬黒光。現在まで続く食品メーカー・中村屋を夫とともに創業し、実業家として活躍する一方、絵画や文学等のサロンをつくり、多くの芸術家や文化人たちと交流した。《黙移》は、女性の自伝として必ず十指に加えられる逸品。特に著者が深く関わった、従姉妹の佐々城信子と国木田独歩のラブ・ロマンスを描いたくだりは、あたかも一篇の小説の如き味わいがある。

eBookJapan 商品説明より


[関連]
『妾の半生涯』福田英子(岩波文庫)

『何が私をこうさせたか』金子ふみ子(岩波文庫)

『相馬黒光―黙移』日本図書センター・人間の記録26)

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