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『日本人の自伝9 堺利彦・山川均』(平凡社)

『日本人の自伝9 堺利彦・山川均』(平凡社)

1982年
467頁




目次(収録作品)

『堺利彦伝』堺利彦
『ある凡人の記録』山川均

堺利彦は、日本共産党の初代委員長となるも、後に山川均らに同調して離脱し、数多くの翻訳を通じて社会主義思想の普及啓蒙に努めた人物である。福岡県出身。《堺利彦伝》は、著者が社会主義者になる前までの叙述にとどまっているが、生活の辛酸をなめるなかで既成の権威や権力への反抗心が育っていく過程が描かれており、著者の社会主義者としての資質を考える上で、多くの示唆を与えてくれる一篇である。

山川均は労農派マルクス主義の指導的理論家として活躍した社会主義者。岡山県出身。日本共産党の結党に参加し、戦後は日本社会党左派を指導した。《ある凡人の記録》は、『朝日評論』に連載した自伝を一冊にまとめるにあたって大幅に加筆しており、本書に対する著者の強い意気込みがうかがえる力作である。社会主義者としての活動はもちろん、生家が没落していくさまが詳しく叙述され、明治前半期の一地方の生活や思潮の急速な変貌が見事に描かれている。

eBookJapan 商品説明より


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