『昔話と現代〈物語と日本人の心〉コレクション5』河合隼雄、河合俊雄編(岩波現代文庫)シリーズ全6冊
2017年
240頁
目次は、記事末。
著者は、心理学者。(1928-2007)
本書は、雑誌に掲載された昔話に関する論考を一書に編集したもの。
筆者は、『昔話と日本人の心』をおすすめする。
目次(収録作品)
1 グリムの昔話における「殺害」について
一 昔話における「殺害」
二 現実の認識
三 殺すものと殺されるもの
四 変容への希求
2 片側人間の悲劇――昔話にみる現代人の課題
一 昔話と現代
二 片子の話
三 文化比較
四 異類聟の死
五 現代人の課題
3 日本人の美意識――日本の昔話から
一 うぐいすの里
二 浦島太郎における美
三 葛藤の美的解決
四 日本と西洋と
五 伝説と昔話
六 花女房
七 完成美と完全美
4 日本昔話の中の他界
一 他界の現前
二 海底の国
三 他界の女性
四 地蔵浄土
5 『風土記』と昔話
一 はじめに
二 昔話の主題
三 夢
四 その他の主題
五 『風土記』の特性
6 日本昔話の心理学的解明――「蛇婿入り」と「蛇女房」を中心に
7 猫、その深層世界――昔話のなかの猫
8 昔話の残酷性について
9 夢と昔話
一 夢
二 補償機能
三 普遍的無意識
四 夢と昔話
10 境界体験を物語る――村上春樹『海辺のカフカ』を読む
解説 「かなしみ」によって結ばれるもの……岩宮恵子
〈物語と日本人の心〉コレクション刊行によせて……河合俊雄