1979年2月20日第1刷発行
180頁
定価:390円(税別)
目次(収録作品)
第1章 日本の色―記号の分析
1 色の民俗学―白・赤・黒の三分法
2 色の民俗学―白・赤・黒・青の四分法
3 日本の色―青と黒の意味論
4 日本の色―赤と白の意味論
第2章 日本の神話―構造の分析
1 神話とは何か
2 イザナキ・イザナミ神話―生と死の弁証法
3 アマテラス・スサノヲ神話―天文学的コード
4 アマテラス・スサノヲ神話―交換の構造
第3章 日本人の神話的思考―実践(プラクシス)の分析
1 日本人のアイデンティティ
2 タマとモノとの交換の構造
3 文化における母性原理・父性原理
4 近代化と神話的思考の解体
著者は、構造人類学者。
第1章は世界の文化に共通して見られる「白・赤・黒」(日本ではそれに「青」が加わる)がなにを象徴しているのかをアメリカン・インディアンのホピの世界観などを例に考察。それを踏まえて第2章では古事記・日本書紀の神話を構造学的に分析している。
180ページの薄い新書だが、内容が濃く読み応えがある。本書が絶版になっているのが不思議。復刊を望む。
構造主義と記紀神話に興味がある人は必読といってよい。
おすすめの良書。
ただ前提として『古事記』は読んでおく必要がある。