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『ドイツ・ナショナリズム』今野元(中公新書)

『ドイツ・ナショナリズム―「普遍」対「固有」の二千年史』今野元(中公新書)

2021年
336頁




目次(収録作品)

第1章 発展(九~一七八九年)-ローマ=ゲルマン世界の「普遍」支配
(ローマ世界とゲルマン世界との融合/キリスト教的世界を狙うドイツ/宗教改革・宗教戦争・宗派共存)

第2章 抵抗(一七八九~一九四五年)-ドイツ「固有」の自己主張
(フランス革命と新しい「普遍」の登場/欧州勢力均衡とドイツ連邦/ドイツ帝国の勃興と孤立/ドイツ国民国家の共和制的再編/大ドイツ帝国の興亡)

第3章 萎縮(一九四五~一九九〇年)-ドイツ「固有」の自己否定
(国家消滅と「修正による再出発/二つの「普遍」大国に従属する東西ドイツ/ドイツ的過去の封印/「六八世代」と「破壊による再出発」/歴史家論争から憲法愛国主義・多文化主義へ)

第4章 再生(一九九〇~二〇二一年)-新しい「普遍」支配と「固有」の復権
(「九〇年世代」の登場/「六八年世代」にいよるドイツの大国化/国民的尊厳の再構築/甦る君主制・教会・軍隊の伝統/「知的戒厳令体制」への反抗/「過去の克服」のブーメラン効果/東独の植民地化とオスタルギー)

アメリカの世界覇権が翳りを見せるなか、欧州で主導権を握り、存在感を増すドイツ。だが英仏など周辺国からの反撥は根強い。そこには歴史的経緯や、経済をはじめとする国力の強大化への警戒感だけでなく、放漫財政を指弾し、難民引き受けや環境保護を迫るなど、西欧的=「普遍」的価値観に照らした「正しさ」を他国にも求める姿勢がある。二千年にわたる歴史を繙き、ドイツはいかにして「ドイツ」となったのかをさぐる。

出典:中央公論新社公式サイト

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