『ホッブズの政治学』レオ・シュトラウス、添谷育志・谷喬夫・ 飯島昇蔵訳(みすず書房)
新装版2019年
330頁
目次(収録作品)
1 序論
2 道徳的基礎
3 アリストテレス主義
4 貴族の徳
5 国家と宗教
6 歴史
7 新しい道徳
8 新しい政治学
付 カール・シュミット『政治的なものの概念』への注解
「ホッブズは、古代に起源をもつ伝統が動揺しだし、かつ近代的自然科学の伝統がいまだ形成され固定化されていなかった、そういう実り豊かな束の間の時期に哲学的思索を行なった。この束の間の時期は、それ以後の全時代にとって決定的に重要なものとなった。まさしくこの時期に、政治学のより新しい展開を全面的に支える土台となる基盤が据えられたのであり、近代的思惟は、この基盤からみてはじめて根源的に理解されうるのである……」
合理主義・個人主義・自由主義を、自覚的かつ体系的に展開した最初の政治思想家トマス・ホッブズ。本書は、若きホッブズの〈動機〉を掘り起しながら、『リヴァイアサン』にいたるその思想の生成を丹念に辿り、〈近代性〉の最下・最深の層にある近代文明の無意識に迫った透徹の書である。ここには、〈近代性〉の危機そのものとしての全体主義によって亡命を余儀なくされた著者の、〈近代性〉批判と思想史のアプローチのすべてが、萌芽的な形で凝縮されている。信頼に足るホッブズ研究書であり、またドイツからアメリカに渡り、「シュトラウス学派」を形成した著者の思想を理解するためにも、恰好の書となろう。
出典:みすず書房公式サイト
[関連]
『ホッブズの政治学』レオ・シュトラウス、添谷育志・谷喬夫・ 飯島昇蔵訳(1990・みすず書房)定価:3,740円(税込)
amazon