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『はるかなる山河に―東大戦歿学生の手記』

『はるかなる山河に―東大戦歿学生の手記』
東大学生自治会・戦歿学生手記編集委員会編

単行本・ソフトカバー

1947年12月4日初版発行
248頁
旧字旧かな

目次

戦歿学生にささぐ…………………南原繁
序……………………………………辰野隆
戦歿学生の手記
失われなかつた人間性
『戦歿学生の手記』に寄せて……三井為友
あとがき

学徒出陣【がくとしゅつじん】

第二次大戦末期の昭和18年(1943)以降、兵力不足を補うため、それまで26歳までの大学生に認められていた徴兵猶予を文科系学生については停止して、20歳以上の学生を入隊・出征させたこと。

出典:デジタル大辞泉

第二次世界大戦で亡くなった我が国の学徒兵の遺稿集。東京大学の戦没学生39名の日記・手紙・句・和歌・詩・遺書などがまとめられている。
(有名な『きけわだつみのこえ―日本戦没学生の手記』は、本書の続編で、主に他の大学生等の遺稿をまとめた本)

過酷な戦争の中で「失われなかった人間性」、精神性に胸をうたれる書。

戦没学生の記録以外の文章には、先の大戦の悪は全て我が国に帰せられるという偏見を感じさせる部分が散見されるが、私にはそれはそれで興味深かった。

『戦歿学生の手記』に寄せて(三井為友)は、軍隊の腐敗についてや自身が学徒兵志願を勧奨した事に対する反省などを記していて、なかなか興味深い。

本書は、亡くなった先輩方の句・和歌・詩がけっこう収録されていて彼らの教養と感性におどろかされた。(先輩といっても筆者が東大卒という意味ではない)

戦没学生のひとりの山岸久雄が満洲にて詠んだ歌が印象に残った。

p.103

手折りたる 土筆(つくし)なつかし 故郷(ふるさと)の 妹がつみしも 同じこの季節(ころ)

なお、以下のサイトで「新字旧かな」のものが、(たぶん)全文見られる。
http://www.j-texts.com/showa/haruka.html[リンク切れ]

いくつか異なる版があるので、それについては『はるかなる山河に』書籍まとめを参考にしてください。

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