2019年
216頁
目次(収録作品)
第一章 望遠レンズでみるヤミ市
第二章 覗きこむヤミ市
第三章 ヤミ市にひしめく人びと
第四章 ヤミ市料理のレシピ
第五章 太陽の下のヤミ市
第六章 新宿ヤミ市・夜のシナリオ
第七章 焼け跡再興のプロデューサー
第八章 ヤミ市の生活文化論
ヤミ市年表
ヤミ市キーワード集
新宿、渋谷、新橋、池袋、上野……焼け跡となった街に、ふたたび人とモノがあつまり、立ち上げられたマーケット。「戦後東京」の原風景を形づくったと語られ、いまや歴史の中に霞みつつあるヤミ市とは、いったい何だったのか。
食べるものも着るものも「あるべきところにあるべきものがない」敗戦直後、人々は統制経済の網の目をかいくぐり、生きるための商いを、そこで営んだ。ゴザの上に芋を並べた露店は、やがて電気ガス水道をそなえた商店となり、カストリと焼き鳥の飲み屋ができ、ありとあらゆる雑貨が流れ込んでゆく。そうして日々の暮らしを立て直そうとする庶民たちの「復興」は、テキ屋たちのプロデュースにより加速され、巨大な盛り場を生み出していった。
丹念なフィールドワークにより都市生活文化の探究を続けてきた著者が、ヤミ市のリアルな姿を蘇らせる!
本書は、『ヤミ市 幻のガイドブック』(ちくま新書)を改題し文庫化したもの。
[関連]
『ヤミ市 幻のガイドブック』松平誠(1995・ちくま新書)
amazon