『日本瞥見記』(上下)小泉八雲、平井呈一訳(恒文社)
上巻
1975年9月10日初版発行
1991年2月20日第2版第3刷発行
2009年(オンデマンド版)
438頁
目次(収録作品)
第1章 極東第一日
第2章 弘法大師の書
第3章 地蔵
第4章 江の島行脚
第5章 盆市で
第6章 盆おどり
第7章 神々の国の首都
第8章 杵築―日本最古の神社
第9章 潜戸(くけど)―子供の亡霊岩屋
第10章 美保の関
第11章 杵築雑記
第12章 日ノ御碕(みさき)
第13章 八重垣神社
第14章 キツネ
八雲と民俗学 平井呈一
下巻
1975年9月10日初版発行
1991年2月20日第2版第4刷発行
2009年(オンデマンド版)
454頁
目次(収録作品)
第16章 日本の庭
第17章 家庭の祭壇
第18章 女の髪
第19章 英語教師の日記から
第20章 二つの珍しい祭日
第21章 日本海に沿うて
第22章 舞妓
第23章 伯耆から隠岐へ
第24章 魂について
第25章 幽霊と化けもの
第26章 日本人の微笑
第27章 さようなら
八雲と日本(その一) 平井呈一
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の来日後、第1作品集『Glimpses of Unfamiliar Japan』Patrick Lafcadio Hearn(1894)の翻訳。おそらく全訳。ただ、原著は刊行後に数編を追加しているようで、版によって収録内容の相違がある模様。本書は、「心中(Shinju)」(原著第13章)のみ未収録のようだ。(本書には、なぜか第15章がない)
『Glimpses of Unfamiliar Japan』を全訳したものは現在はない。
『小泉八雲全集』第3巻、第4巻(落合貞三郎・大谷正信・田部隆次訳)(1926・第一書房)は全訳。(旧字旧かな)
『全訳小泉八雲作品集』第5巻、第6巻(1964)(絶版)も、おそらく全訳。
紀行文や随筆を収めた作品集で、八雲の代表作。明治の日本を鋭い観察眼と豊かな感性で活写している。文章も内容もいまも古びない素晴らしいもので、八雲の著作では一番のおすすめ。どれも質が高いが、『極東第一日』『地蔵』『盆おどり』『潜戸』(以上上巻)、『日本の庭』『英語教師の日記から』『舞妓』(以上下巻)を特におすすめする。
本書は絶版だが、筆者の知る限り、現時点で全訳されたもので比較的手に入りやすいのはこれしかない。訳も全集より本書の方がよい。
[筆者注]
(下巻 p.20)「研を競う」。「姸を競う」の誤植。
(下巻 p.340)「池は長九郎の池といって」。「助九郎」の誤植。(英語の原文も確認済み)
(下巻 p.423)「西洋人の物質文面の優越性」。おそらく、「物質方面」の誤植。
[関連]
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『日本瞥見記』小泉八雲、平井呈一訳(1975・恒文社)
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『日本瞥見記』第2版(上)小泉八雲、平井呈一訳(1986・恒文社)438頁
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『日本瞥見記』第2版(下)小泉八雲、平井呈一訳(1988・恒文社)454頁
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『新編 日本の面影』ラフカディオ・ハーン(角川ソフィア文庫)
『神々の国の首都』小泉八雲(講談社学術文庫)
『全訳小泉八雲作品集』第5巻、平井呈一訳(1964・恒文社)
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『全訳小泉八雲作品集』第6巻、平井呈一訳(1964・恒文社)
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