1996年
269頁
目次(収録作品)
心の内なる律を尊ぶ/慳貧にして富貴なることを嫌う/省みて疾しければ己れなし/三界は只心ひとつなり/嚢中三升の米、炉辺一束の薪/独り奏す没絃琴/数奇の心、数奇者のみが知る/つきてみよ、ひふみよいむなや/書画に一点の塵気なし/月天心貧しき町を通りけり〔ほか〕
一九九二年秋、世に問われた本書はいちはやくベストセラーになったばかりでなく、書名に掲げられた「清貧」あるいは「清貧の思想」は「時代の言葉」となった。
虚飾を捨て、安らかな心を重んじ、身の丈にあった清楚な生活を旨とする、とはどのような生き方をいうのだろうか。名利に使はれて、閑かなる暇なく、一生を苦しむるこそ、愚かなれ……。モノとカネにふりまわされ、明け暮れする人生は真に幸福なのか? 光悦、西行、兼好、良寛ら先人の生き方の中に、モノを「放下」し、風雅に心を遊ばせ、内面の価値を尊ぶ「清貧」の文化伝統を見出す。バブル時代、物欲と生活に追われてひた走った日本人を立ち止まらせ、共感させ、猛省をうながした、話題のベストセラー。
アマゾン商品説明より