『名文章名表現辞典―作家250人はこう書いた』日本漢字学会編(小学館文庫)
1998年3月1日初版発行
283頁
さまざまな作品からよい表現の文章を数行採り上げ、辞書のように配列した本。
ほとんどは小説やエッセーから。
かなりの労作だが、あまりよい本とはいえない。「表現辞典」としては使えないし、引用が短すぎて読み物としても、つまらなくはないが、ものたりない。このような構成で一書を成すのはうまくいかないということが、反面教師として勉強になった。
それから、引用の文章の出典を示していないのが全くまずい。出典を示していないこと自体も問題だし、これではよいと思った文章を作品にあたって確認することもできない。また、出典を示せばブックガイドとしての働きも加わるのに、これは全然ダメである。