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『「集団主義」という錯覚』高野陽太郎(新曜社)

『「集団主義」という錯覚―日本人論の思い違いとその由来』高野陽太郎(新曜社)

2008年6月25日初版第1刷発行
337頁




目次(収録作品)

第1部「日本人=集団主義」説
第1章 日本人論
第2章 日本人論批判

第2部 事実の検証
第3章 実証的な研究
第4章 論争
第5章 「集団主義的な文化」再考
第6章 エピソード
第7章 昔の日本人

第3部 通説はなぜ成立したのか?
第8章 戦時下の集団主義
第9章 思考のバイアス
第10章 オリエンタリズムとしての「集団主義」

第4部 「文化」の再検討
第11章 「国民性」
第12章 文化ステレオタイプ

著者は心理学者。

日本人は集団主義的でアメリカ人は個人主義的であるというのは通説になっているが、それは正しくないことを学問的に論じ、また、なぜそのような通説が広まり固定化してしまったのかをも論じる。
また、いわゆる「日本的経営」(企業別組合・系列・株式持ち合い等)の「集団主義」も誤解であると反論している(p.118-p.147)。

信憑性の乏しいミルグラム実験を取りあげている(p.255~)のは傷だが、全体的の論に支障はない。
内容的には大学院かそれ以上の高度なものだが、平明に書かれているので、社会心理学の前提の知識がなくとも高校生くらいから読めるだろう。興味深く、内容豊かで教養に資する良書。おすすめ。

このような本を読むと評論家などが、いかに印象論でテキトーなことを言っているのかを知ることができる。

[参考]
『日本人は集団主義的』という通説は誤り (東京大学)

集団主義という錯覚

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