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『屍鬼二十五話 インドの伝奇集』ソーマデーヴァ(東洋文庫)

『屍鬼二十五話 インドの伝奇集』ソーマデーヴァ、上村勝彦訳(平凡社・東洋文庫)

1978年1月27日初版発行
316頁
二段組み




目次(収録作品)

プロローグ
第1話 烙印をおされた少女
第2話 娘一人に婿三人(1)―彼女の灰を抱いていた男
第3話 男が悪いか女が悪いか
第4話 息子を犠牲にした忠臣
第5話 娘一人に婿三人(2)―ソーマプラバーの場合
第6話 すげかえられた首
第7話 海中都市(1)―阿修羅の娘と結婚した男
第8話 デリケートな兄弟
第9話 王女と四人の求婚者
第10話 三人の男と約束した女
第11話 デリケートな王妃たち
第12話 海中都市(2)―天女を妻にした王
第13話 バラモンを殺したのは誰か
第14話 盗賊を愛した少女
第15話 ムーラデーヴァと性転換の秘薬
第16話 ジームータヴァーハナの捨身
第17話 侮辱された女の復讐
第18話 呪法に失敗した師弟
第19話 三人の父親を持った王
第20話 生贄の少年はなぜ笑ったか
第21話 焦がれ死にした女
第22話 ライオンを再生した兄弟
第23話 青年の死体にのりうつった行者
第24話 父が娘を、息子が母を妻にした場合
第25話 大団円

ジャンバラダッタ本「屍鬼二十五話」
第21話 二日目に彼女を抱くのは誰か
第22話 ムーラディーヴァの計略
第23話 羅刹に怯える都

(本書凡例より)
「本書は十一世紀インドの詩人、ソーマデーヴァ作『カター・サリット・サーガラ』に含まれる「屍鬼二十五話」のサンスクリット原典からの翻訳である。(略)
巻末に、ジャンバラダッタ本「屍鬼二十五話」から三話を付載した。」

日本でいうと平安時代に編まれたインドの説話。
聡明で勇敢な王が、夜中に木の上に引っかかっている死体を運んでくることになる。その死体には屍鬼(しき)が憑りついていて、担いでいる肩越しから王に話しかける。
「王様、道中のお慰みに、ひとつ物語を話してあげよう。お聞きなさい」
そして、ひとつ物語を語りおわると屍鬼は王に、その物語についての質問をする。王が正しく答えると、なぜか屍鬼は、元の木の上に戻ってしまう。王は再び、木から死体をおろし担いでゆく。すると、屍鬼はまた物語を語り出す。こうして25の物語が語られるいわゆる「枠物語」の構成の説話。

さまざまな奇想天外な物語が語られるが、それだけでなく、誰に罪があるのか、誰に権利があるのか等を問うていて、その点も興味深い。
物語、説話に興味がある人にはおすすめの一書。

屍鬼二十五話―インド伝奇集 (東洋文庫 323)

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