1942年2月25日初版発行
1974年9月17日改版発行
274頁
イソップのお話を知らずに育った人はあるまい。しかしまた、この古代ギリシアから伝わる寓話集を正確な形で読んでいる人も意外に少ないにちがいない。巧みなレトリックで人生の知恵を簡潔に解きあかす『イソップ寓話集』を、原文に忠実な訳で、ぜひ一度通読して、昔の人々の人間観察の結果を味わいたいものである。
本書表紙(カバー)より
シャンブリ版校訂本の完訳。
イソップ寓話は、子供向けとされるが、人間や社会を知った大人こそが玩味できる古典である。皮肉、危機意識、裏切り、詭弁、誠実性、道徳、浅薄さ、軽率、その他いろいろな教訓的な寓話は、人間や社会を洞察したもので興味深い。
本書は旧訳で、分かりにくかったり、古臭い表現の所もあるが、味があってよい訳もあり、おすすめである。
『イソップ寓話集』中務哲郎訳(岩波文庫)、『新訳 イソップ寓話集』(中公文庫)は、こなれた分かりやすい翻訳で、これらもおすすめ。