スポンサーリンク

「十二月八日」高村光太郎

十二月八日

記憶せよ、十二月八日。
この日世界の歴史あらたまる。
アングロ・サクソンの主権、
この日東亜の陸と海とに否定さる。
否定するものは彼等のジャパン、
眇たる東海の国にして
また神の国たる日本なり。
そをしろしめしたまふ明津御神あきつみかみなり。
世界の富を壟断するもの、
強豪米英一族の力、
われらの国に於て否定さる。
われらの否定は義による。
東亜を東亜にかへせといふのみ。
彼等の搾取に隣邦ことごとく痩せたり。
われらまさに其の爪牙を摧かんとす。
われら自ら力を養ひてひとたび起つ、
老若男女みな兵なり。
大敵非をさとるに至るまでわれらは戦ふ。
世界の歴史を両断する。
十二月八日を記憶せよ。



出典:『高村光太郎全集 第3巻』(筑摩書房)。新漢字に改める。
※高村光太郎の著作権は消滅している。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

Secured By miniOrange