『かけひきの科学―情報をいかに使うか』唐津一(からつ・はじめ)(PHP新書)
1997年4月2日初版発行
199頁
定価:726円(税込)
著者は、元・松下通信工業常務取締役、元・松下電器産業技術顧問。(1919―2016)
書名に「科学」とあるが、科学の内容ではない。
いわゆるビジネス書に分類するのが適当な本。
情報、ビジネスの戦略・戦術について書かれた書。経験、実例、具体例が豊富で著者の講演を聞いているような、わかりやすい平易な内容。
「かけひき」の部分をもっと濃く、深く書いてほしかった。
1997年刊なので古い話題もあるが、上記の内容の読み物として、なかなかよい本。高校生くらいの人にもよい。
[筆者注]
(p.109)
アメリカの先発明主義はあまりにも勝手で、世界のルール違反である、先願主義に切り換えるべきだという批判を受けて、ワシントン政府はその実施を世界に約束した。ところが、議会の反対で二年たったいまも実行に移していない。
アメリカの特許制度は、2013年に「リーヒ・スミス米国発明法案」が施行され先願主義に移行した。ただし、純粋な先願主義ではなく、先発表主義を残す改正が加えられている。(参考:Wikipedia、日米特許最前線)