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『貧困を救うのは、社会保障改革か、ベーシック・インカムか』橘木俊詔・山森亮(人文書院)

『貧困を救うのは、社会保障改革か、ベーシック・インカムか』橘木俊詔・山森亮(人文書院)

2009年
302頁
定価:2,200円(税込)



格差、貧困、福祉、労働…、いま日本において緊急かつ最重要の問題をめぐる、ベテランと新鋭、二人の経済学者による白熱の対話。徹底した議論の先に見える未来とは何か!!

出典:人文書院公式サイト


目次(収録作品)

第1章 格差問題と経済学
  近年の格差社会
    メディアは何をしたのか  これまでの貧困・格差の研究
    格差論争――橘木説への三つの反論  格差社会の始まりは一九八五年
    三分割された女性
  最適課税論
    所得税の最高税率を上げよ  最適課税とは?
    高度成長期は格差が小さかった
  経済政策の転換
    経済政策と人種差別  中曽根首相はリバタリアン
  ネオリベラリズム
    ネオリベラリズムとリバタリアニズム  ネオリベラリズムへの反省
    サッチャー、レーガンは間違っていなかった?
    サッチャーはなぜ最低賃金を廃止したのか?
  ケインズの経済学 
    分配にも配慮を  ケインズ主義はファシズム?
  新古典派の経済学 
    フリードマンの「負の所得税」  九○年代の経済学を席巻
    シカゴスクール
  絶対的貧困と相対的貧困
    取り上げられてこなかった貧困問題  厳しいミーンズテスト
    アフリカを見よ

第2章 福祉と制度の経済思想1
  北欧の社会福祉
    北欧にはなぜ福祉国家が多いか  積極的労働政策
    アングロサクソンのワークフェアとは違う  隣人の失業は見過ごせない
    アメリカや日本は学者を軽んじる?
  同一労働同一賃金
    同一価値労働同一賃金の原則  同一価値労働とは?
    ペイ・エクイティ法  日本で理解されない同一価値労働同一賃金の原則
    日本は電産型賃金を選んだ  職業の定義は難しい
    女性は年功序列賃金体系の外にいた  なぜ日本の経済学者は沈黙するのか
    どう実現させていくか
  社会保障
    婚姻によらない出生
  児童扶養手当
    日本社会のスティグマ(恥辱)  子どもの面倒を見るのは親
  女性の労働
    一九七○年代、女性の夢は核家族の専業主婦?  フェミニズムが女性を労働へ
  年金制度
    税方式で年金を  税方式はメリットが大きい

第3章 福祉と制度の経済思想2
  日本の社会保障制度
    消えた年金  左派は保険料方式支持
    社会的なもの  北欧でも財源が違う
  年金税方式反対論
    大国はみんな保険料方式  年金に税収を使うのは不健全
    保険原理で自助努力
  年金と生活保護
    モラルハザード論への疑問
  医療保険
    後期高齢者医療制度  制度の乱立が改革を阻む
    イギリスは税方式医療を固守する  皆保険制度を護れ
  雇用保険
    企業負担の弊害  すべての失業者をカバーするために
    ヨーロッパ旅行はモラルハザード?  フードスタンプで現物給付
  介護保険
    介護は市場原理に馴染まない  産業構造改革で介護労働を救え

第4章 ベーシック・インカム
  ベーシック・インカムの基礎
    ベーシック・インカムとは  働ける人と働けない人
    毎年三○○〇万円のベーシック・インカムを払ってきた!
    左も右も支持するのはなぜ?
  ベーシック・インカムの導入
    部分的支給から始める  導入のプロセス
    街灯はすべての人に明るい  誰がサーファーなのか
    個人単位に支給する利点
  ベーシック・インカムの財源
    生存権には条件が付いている  理念の受け入れが先
    所得税か消費税か  まずは貧困の解消
  現状との比較
    経済の効率性はどうなる  行政をスリム化する
  ねじれ現象
    経営者側からの支持  最低賃金は公正賃金に
    企業に圧力をかける  労組が反対する理由
  実現の可能性
    無条件の生存権の保障  男性にも選択肢を

対談を終えて

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