『人間の測りまちがい 差別の科学史』(上下)スティーヴン・J・グールド、鈴木善次・森脇靖子訳(河出文庫)
上巻
2008年
376頁
目次(収録作品)
第1章 序文
第2章 ダーウィン以前のアメリカにおける人種多起源論と頭蓋計測学―白人より劣等で別種の黒人とインディアン
(共有された文化の状況/進化論登場以前の科学的人種差別論の二つのスタイルー人種単起源論と多起源論 ほか)
第3章 頭の計測―ポール・ブロカと頭蓋学の全盛時代
(数学の魅力/頭蓋計測学の大家ーポール・ブロカとその学派)
第4章 身体を測る―望ましくない人びとの類猿性の二つの事例
(我々にはみんなサルの状態があった―反復現象/我々の誰かに存在するサルー犯罪人類学)
第5章 IQの遺伝決定論―アメリカの発明
(アルフレッド・ビネーとビネー尺度の本来の目的/H.H.ゴダードと精神薄弱児の脅威 ほか)
下巻
2008年
421頁
第5章 IQの遺伝決定論―アメリカの発明(承前)
(R.M.ヤーキーズと陸軍知能テスト―IQ時代の到来/心理学の急成長 ほか)
第6章 バートの本当の誤り―因子分析および知能の具象化
(シリル・バートの事例/相関、原因および因子分析 ほか)
第7章 否定しがたい結論
(実証科学として誤りを暴露すること/誤りを暴露することによる学習 ほか)/『ベル・カーブ』批判(『ベル・カーブ』/不誠実な内容 ほか)/三世紀間に見られた人種に関する考えと人種差別主義(古くから見られた思考と悪臭についての謬論/人種の幾何学 ほか)
頭蓋計測からIQテストまで、知能の科学的計量をとなえて人種差別に加担し、その根拠を与えてきた生物学的決定論の誤謬をあばき、科学者の責任を糾弾する過激エッセイ。
出典:河出書房新社公式サイト