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『ぼくらの「侵略」戦争』宮崎哲弥編著(洋泉社)

『ぼくらの「侵略」戦争―昔あった、あの戦争をどう考えたらよいのか』宮崎哲弥編著(洋泉社)

1995年10月10日初版発行
372頁
定価:1,815円(税込)




目次(収録作品)

「ぼくたち」の知らない戦争があった まえがきにかえて(宮崎哲弥)


戦無世代に戦争責任はあるのか?(宮崎哲弥)
戦争総括をどう受け継ぐか(小浜逸郎)
隠蔽された戦争 戦後五十年とはなにか(松本健一)
正しい「植民者」になるためには(インタビュー 呉智英、聞き手・宮崎哲弥)


幼稚な余りにも幼稚な「謝罪・不戦決議」―「与党戦後50年問題プロジェクト」への意見陳述(西尾幹二)
「不戦決議」と戦争責任(福田和也)


日本が「世界戦争」を戦った理由(インタビュー 松本健一、聞き手・宮崎哲弥)


欧米と日本の植民地体験の受け止め方の違いはなぜ生じたのか(池田清彦)
戦中派の考える「侵略発言」(山田風太郎)
「侵略戦争をする資格」とは何か―山田風太郎「戦中派の考える『侵略発言』」を読む(中野翠)
太平洋戦争問題発言は、封じられた正論である(佐藤貴彦)
総ねじれの日本国内言論―国際法と東京裁判をめぐって(副島隆彦)


戦争謝罪への冒険―「アジアの夢」としての日本の謝罪(石川好)
罪深きは「男」か「戦争」か?―従軍慰安婦問題を考えるポイント(対談 橋爪大三郎・瀬地山角)


いま、戦争を語ることの意味について(対談 小浜逸郎・宮崎哲弥)

戦後50年の節目の1995年に、「あの戦争」についての論考などを収録して編集した本。雑誌に既出の文章と書き下ろしのものとをまとめている。

西尾幹二、山田風太郎、中野翠、佐藤貴彦のものが、興味深く読む価値がある。
呉智英の植民地についての発言(p.112~)は、誤解を招く言い方で間違って認識してしまう恐れがある。また、橋爪大三郎の対談は、慰安婦の強制連行や人数が膨大なものであった(20万、30万人以上)などを「事実」との前提で論じていることに注意。
それから、全体的に朝鮮について多く触れているがこれは西尾幹二の見識が確かである。

(p.148)西尾幹二
「朝鮮半島が日本に併合されたのは、一九一〇年でございまして、第一次世界大戦より前でございます。すなわち、これと比較すべきは、イギリスのインド植民地化、フランスのアルジェリア植民地化、オランダのインドネシア植民地化、ベルギーのコンゴ植民地化といったようなものと並列し比較しなければならない問題で、少なくとも日独ファシズムといわれた時代のこととは直接関係はないのであります。」

この話題に興味のある人には、中々おすすめの本。

[筆者注]
(p.103)〔なんで東京都千代田区の一等地に、朝鮮人が住んでるんだって。〕
これは、(おそらく)朝鮮総連中央本部のこと。

(p.137)〔元サハリン再開支援会を代表している新井佐和子さんという方が「『サハリン残留補償』をデッチ上げたのは誰だ」ということを『正論』に書いて(略)
これについては、『サハリンの韓国人はなぜ帰れなかったのか』が、上梓されている。

(p.223)「小さな声で腑いて」
おそらく、「俯」の誤植。

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