2024年
432頁
目次(収録作品)
第一章 そも、アメリカとは何者か
わずか三五〇年ほど前のことだった
新世界の「純潔」、旧世界の「頽廃」
アメリカは戦争するたびに姿を変える国である
昭和一八年を境に日米戦争はがらりと様相が変わった
アメリカの脱領土的世界支配――金融と制空権を手段として〔ほか〕
第二章 ヨーロッパ五〇〇年遡及史
歴史をあえて逆読みする
世界帝国になったスペインとイギリス
始まりは二つの小国――テューダー朝と、アラゴン・カスティーリャの連合王国
フェリペ二世に匹敵する豊臣秀吉の行動は日本「近代」の第一歩だった
オランダやフランスを手玉にとったイギリス外交のしたたかさ〔ほか〕
第三章 近世ヨーロッパの新大陸幻想
「海」から「陸」を抑えるイギリスの空間革命
イギリスが守った欧州二〇〇年の平和
北西航路か北東航路かのつば競り合いが始まった
アフリカの海では魚釣りのように気楽にニグロを捕まえる
アメリカ大陸が「島」に見えてくるまで眼を磨かなくてはならない
掠奪は当時の西欧の市民社会では日常の経済行動だった〔ほか〕
第四章 欧米の太平洋侵略と江戸時代の日本
慌ただしくて余りに余裕がなかった日本の近代史
”明治日本を買い被るな”
イスラム世界の勢いと大きさに気付いていなかった日本人
アメリカ二大陸への魔力をみじんも感じなかった日本人の限界
急進的宗教家だったニュートンの意外な面
劣等人種の絶滅を叫ぶキリスト教徒〔ほか〕
西欧の歴史は休みない戦争の歴史であり、特に16-18世紀は「軍事革命」の300年だったと言える。西欧はそれを奇貨として、宗教改革によって強化されたキリスト教信仰と「新大陸幻想」に駆られて、新世界の発見・拡大に躍り出る。その歴史はスペインとポルトガルに始まり、オランダ、イギリスを経て、アメリカの「脱領土的世界支配」に至る。そして今日、中国の勃興を背景に流動化する国際秩序は、「新たな中世」の到来を告げているかのようだ。世界覇権をめぐる500年の争いを俯瞰し、日本が立ち向かうべき「現実」の正体に挑む著者渾身の一冊。
アマゾン商品説明より