2025年
328頁
目次(収録作品)
Ⅰ 描かれていた未来
1 ジョージ・オーウェル 「動物農場」 全体主義は私たちの中にある
2 カレル・チャペック 『ロボット』 「生きた機械」は人を幸福にするか
3 有吉佐和子 『恍惚の人』 半世紀先の日本を見抜く
4 ラ・ロシュフコー 『箴言集』 建前論のちゃぶ台をひっくり返す
5 三島由紀夫生誕100年 彼は日本の何を守りたかったのか
Ⅱ 戦争とポピュリズム
6 クラウゼヴィッツ 『戦争論』 新訳で知る戦争のリアル
7 中江兆民 『三酔人経綸問答』 理想と現実の間に道を探す
8 高坂正堯 『世界地図の中で考える』 歴史を踏まえた冷徹な視座
9 アインシュタイン 『科学者と世界平和』 核戦争を防ぐ具体策
10 トクヴィル『アメリカのデモクラシー』 なぜ米国の民主主義は揺らいでいるのか
11 ル・ボン 『群衆心理』 民の声を操り、操られる政治家たち
12 オルテガ 『大衆の反逆』 我々は皆、「満足しきったお坊ちゃん」
13 カール・ポパー 『開かれた社会とその敵』 歴史法則なんて存在しない
Ⅲ 日本社会への眼差し
14 福沢諭吉 『文明論之概略』 権力の偏重は経済もダメにする
15 中根千絵 『タテ社会の人間関係』 ウチとソトが作り出す序列意識
16 ルース・ベネディクト 『菊と刀』 義理と人情と誠実と……日本人の行動の「型」を読む
17 イザベラ・バード 『イザベラ・バードの日本紀行』 明治11年にタイムスリップ
18 岡潔 『春宵十話』 数学も人間も、情緒である
19 寺田寅彦 『天災と国防』 まな弟子が広めた「警句」
Ⅳ 政治家が挑んだ課題
20 勝海舟 『海舟語録』 「みんな敵がいい」 トップに忖度せず我を貫く胆力
21 岡義武 『山県有朋』 明治日本を背負った強権政治家が守ろうとしたもの
22 高橋是清 『随想録』 今また舞い戻る高橋財政の教訓
23 松尾尊兊編 『石橋湛山評論集』 データ見抜く眼力、軍部にも占領軍にも屈せぬ胆力
24 田中角栄 『日本列島改造論』 均衡ある発展、未完の見取り図
Ⅴ ビジネスを切り開く
25 アンドリュー・カーネギー 『カーネギー自伝』 ビジネスは社会あってこその活動である
26 渋沢栄一 『論語と算盤』 お金はよく集め、よく使いなさい
27 小林一三 『逸翁自叙伝』 都市生活者の夢をビジネスに
28 服部正也 『ルワンダ中央銀行総裁日記』 援助は人のためならず
Ⅵ 経済学の巨人の教え
29 アダム・スミス 『国富論』 専門用語の縛りを解き放った新訳を味わう
30 ジョン・メイナード・ケインズ 『ケインズ 説得論集』 現代に通じる洞察力
31 ジョン・メイナード・ケインズ 『雇用、金利、通貨の一般理論』 すべては彼の手のひらの上で踊る
32 ヨーゼフ・シュンペーター 『資本主義、社会主義、民主主義』 資本主義の危機は内部から
33 ミルトン・フリードマン 『資本主義と自由』 大きな政府に痛烈な解毒剤
34 ジョン・ケネス・ガルブレイス 『大暴落1929』 大恐慌は避けられるか
本書で取り上げた主な文献
AIと超高齢化、ポピュリズムと全体主義、権力の偏重とタテ社会、人情と情緒、外交と経済運営――。長きにわたって読み継がれてきた古典は、私たちが抱えている課題解決へのヒントになる。ジョージ・オーウェルから有吉佐和子まで、数々の名著を現代の視点から読み解く。「日経BOOKプラス」の好評連載を大幅加筆。
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