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『新装版 昭和史発掘』松本清張(文春文庫)

『新装版 昭和史発掘』(全9巻)松本清張(文春文庫)
(単行本および旧文庫版は全13巻)

第1巻 新装版2005・417頁

目次(収録作品)

陸軍機密費問題/石田検事の怪死/朴烈大逆事件/芥川龍之介の死/北原二等卒の直訴

厖大な未発表資料と綿密な取材によって、昭和初期の日本現代史の埋もれた事実に光をあてた不朽の労作が新装版で登場。政界に絡む事件の捜査中に起きた「石田検事の怪死」、部落問題を真正面から取り上げた「北原二等卒の直訴」、他に「陸軍機密費問題」「朴烈大逆事件」「芥川龍之介の死」など5篇を第1巻に収録。圧倒的な面白さ。

出典:文藝春秋BOOKS



第2巻 新装版2005・407頁

三・一五共産党検挙/「満洲某重大事件」/佐分利公使の怪死/潤一郎と春夫/天理研究会事件

昭和四年、箱根のホテルで男がピストルを片手に握りしめ死体で発見される。頭部を弾丸が貫通。自殺かと思われたが……。当時の中国関係のキナ臭さ漂う「佐分利公使の怪死」、文豪の“妻譲渡事件”としてゴシップになった「潤一郎と春夫」、他に「満洲某重大事件」など昭和初期の世相を圧倒的な取材力で描いた松本清張の代表作。

出典:文藝春秋BOOKS



第3巻 新装版2005・456頁

「桜会」の野望/五・一五事件/スパイ“M”の謀略

昭和七年、大胆不敵な手口で大森の銀行を襲ったギャングの記事が新聞の社会面に躍った。その直後、警視庁は共産党幹部の一斉検挙に着手。この二つの事件は、共産党に潜入した謀略者“M”が周囲を完全に欺き、操(あやつ)り、演出したものであった。謎の“M”の正体に迫る「スパイ“M”の謀略」、他に「『桜会』の野望」「五・一五事件」。

出典:講談社BOOK俱楽部



第4巻 新装版2005・430頁

小林多喜二の死/京都大学の墓碑銘/天皇機関説/陸軍士官学校事件

ファシズムへと暴走していく日本の姿を活写する松本清張の歴史的名著。心優しいプロレタリア作家が特高警察によって筆舌に尽くしがたい拷問の末惨殺された「小林多喜二の死」、破局への一大転換点であった「天皇機関説」。言論の自由を圧殺したものへの、深く静かな怒りが滲む。他に「京都大学の墓碑銘」「陸軍士官学校事件」。

出典:講談社BOOK俱楽部



第5巻 2.26事件1 新装版2005・438頁

相沢事件/軍閥の暗闘/相沢公判

いよいよ本書の核となる「二・二六事件」に突入。「永田閣下に天誅を加えてきました」——皇道派・統制派の争いは熾烈さを増し、遂に相沢中佐は、統制派の大物であった永田鉄山軍務局長を陸軍省内で白昼に斬殺するという前代未聞の事件を引き起こす。執念の取材により初公開される新資料で軍閥の暗闘が白日の下に晒されていく。

出典:講談社BOOK俱楽部



第6巻 2.26事件2 新装版2005・512頁

北、西田と青年将校運動/安藤大尉と山口大尉/二月二十五日夜

青年将校らの精神的支柱となっていた「魔王」北一輝。しかし、若い彼らの動きは、最早、北の意図を超えるまでに尖鋭化していた。様々な思いの青年将校たち。「時機尚早」を唱えていた部下思いの安藤大尉はなぜ蹶起(けっき)に踏み切ったのか。複雑な人間模様。革新への熱と逡巡。刻一刻と緊張感高まる二・二六事件決行前夜を活写する。

出典:講談社BOOK俱楽部



第7巻 2.26事件3 新装版2005・436頁

襲撃/「諸子ノ行動」/占拠と戒厳令

いよいよ佳境、2・26事件のクライマックス

事件当日の決行部隊の動静、重臣襲撃の様子を綿密な取材で異様な緊迫感とともに活写。

2月26日、遂に重臣襲撃決行。「いよいよ始まった。余の筆ではこの時の感じはとても表し得ない。あの快感は恐らく人生至上のものであろう」(磯部浅一)。拳銃で撃たれたうえ軍刀で切り刻まれた高橋是清。夫人の機転で一命を取り留めた鈴木貫太郎。女中部屋に潜んだ岡田啓介。戦勝気分に酔い痴れる青年将校らであったが……。

出典:講談社BOOK俱楽部



第8巻 2.26事件4 新装版2005・448頁

奉勅命令/崩壊/特設軍法会議

尊皇討奸を合言葉に昭和維新を夢見た叛乱将校たち。しかし、重臣を惨殺された天皇の怒りは激しいものだった。日本を震撼させた4日間は、天皇の強固な意志と奉勅命令のトリックで、一挙に終幕を迎える。「兵に告ぐ。勅命が発せられたのである。既に天皇陛下の御命令が発せられたのである」——絶望と混乱。叛乱将校らの運命は。

出典:講談社BOOK俱楽部



第9巻 2.26事件5 新装版2005・512頁

秘密審理/判決/終章

不朽の名作、遂に完結。夢破れた時、青年将校が頼みにしていた上層部は保身に走るのみであった。無念の内に銃殺刑に処されていく首謀者たち。「死ぬものか、成仏するものか 悪鬼となって所信を貫徹するのだ」(磯部浅一)。そして軍部は事件の再発をちらつかせて政・財・言論界を脅迫、戦争体制へと大股に歩き出す。解説・加藤陽子

出典:講談社BOOK俱楽部


[関連]
『昭和史発掘 特別篇』松本清張(2019・文春学藝ライブラリー)280頁

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