
『カスパー・ハウザー あるいは怠惰な心』ヴァッサーマン、酒寄進一訳(岩波文庫)
2025年
592頁
目次(収録作品)
地図
第一部
身元不明の少年
カスパー・ハウザーの報告書、ダウマーが記す
長官、影芝居の目撃者となる
鏡が語る
カスパー、夢を見る〔ほか〕
第二部
仮面をつけつづける者と本音を言う者の会話
夜になる
書簡の章
トゥーハー男爵からスタンホープ伯爵への書簡
ダウマーからフォイエルバッハ長官への書簡〔ほか〕
1828年、ニュルンベルクに突如現れた謎の少年。言葉もおぼつかず、長く幽閉されていたと思しき彼の存在は、瞬く間に世間を騒がせた。王侯貴族の落胤か、それとも詐欺師か。憶測はやがて、人々の同情を猜疑心と憎悪に変え、少年を追い詰めてゆく。ドイツ史上稀に見る真相不明事件を、鋭い洞察と緻密な構成で描き出した傑作。
本書表紙(カバー)より