旧字旧かな
2002年3月10日初版発行
360頁
目次(収録作品)
第1章「現代かなづかい」の不合理
第2章 歴史的かなづかひの原理
第3章 歴史的かなづかひ習得法
第4章 国語音韻の変化
第5章 国語音韻の特質
第6章 国語問題の背景
追記
附録 福田恆存全集覚書四
解説 市川浩
著者は、評論家、翻訳家ほか。
歴史的仮名づかいの正当性を論じ、現代仮名づかいの問題点をさまざま挙げ、その移行は改悪だと物申した書。
p.132
私見を申しますと、私は語を表記するといふ歴史的かなづかひの原則はあくまで、そのままにしておいて、しかし部分的には現代語音に近づけるやうな改訂が望ましいと考へてをります。
著者の言うようにしていたなら、古典の文学作品の鑑賞などが現状よりずっと楽なものとなり、よろしかったのだが、今となってはどうしようもない。
我が国の国語についての重要な本ではあるが、ふつうの読者には教養としてもすすめない。(その時間を日本の古典(物語や和歌集や句集など)を読むのに使った方がずっと有益である(もちろん対現代語訳でよい))
国語学などを研究する大学生、大学院生などは必読だろうが。