1991年
248頁
目次(収録作品)
序 理性の崩壊
1 20世紀初頭の知的状況
1.科学の危機
2.人間諸科学をめぐる問題
3.現代哲学の課題
2 人間存在の基礎構造
1.事象そのものへ――生活世界への還帰
2.世界内存在(1)――物理的構造と有機的構造
3.世界内存在(2)――シグナル行動とシンボル行動
4.世界内存在(3)――フッサール
5.世界内存在(4)――ハイデガー
6.情動の現象――サルトル
3 身体の問題
1.心身の関係(1)――幻影肢のばあい
2.心身の関係(2)――心身の区別と統一
3.身体的実存(1)――精神盲のばあい
4.身体的実存(2)――シンボル機能の基盤
5.性的存在――フロイト
4 言語と社会
1.言語(1)――話者への還帰
2.言語(2)――ことばのもつ実存的意味
3.言語(3)――ソシュール
4.相互主観性(1)――サルトルとメルロ=ポンティ
5.相互主観性(2)――ヴァロン
6.人間と社会構造――レヴィ=ストロースとマルクス
7.状況と自由――意味の発生と意味付与
5 今日の知的状況
1.マルクス主義哲学の問題(1)――レーニン主義と西欧マルクス主義
2.マルクス主義哲学の問題(2)――人間主義と構造主義
3.構造主義――レヴィ=ストロース、ラカン、フーコー
4.構造と人間
ニイチェが「神が死んだ」と予言した現代は、従来の価値体系が崩壊し、思想史の上でもルネサンスの時代に比すべき大きな転換期をむかえている。そのなかでフッサール、メルロ=ポンティ、レヴィ=ストロースら現代の哲学者たちが、心理学や言語学、人類学などの人間諸科学と交流しながら追求する哲学の新しい方向とは何か。そして彼らが負った共通の課題とは……。人間の存在を問う現代哲学の書。
出典:講談社BOOK俱楽部
[参考]
『反哲学史』木田元(講談社学術文庫)