『償いは済んでいる―忘れられた戦犯と遺族の五十年』上坂冬子(講談社)
1995年4月20日第1刷発行
222頁
目次(収録作品)
プロローグ 忘れられた千六十一人
第1章 責任を取る
第2章 なぜ、ひとりだけ
第3章 恨みの二ヵ月
第4章 親たちの悲劇
第5章 巣鴨プリズンというところ
第6章 厳寒の三角洲にて
第7章 天竜川のほとりにて
第8章 立ち直った未亡人たち
エピローグ 戦後補償を論ずる前に
著者は、ノンフィクション作家。(1930-2009)
本書は、東京裁判で処刑されたBC級戦犯の遺族を取材したもの。
第1章は、由利敬中尉(大牟田捕虜収容所所長)、第2章は、本川貞中尉、第3章は「石垣島事件」の榎本宗応大尉・井上乙彦大佐・藤中松雄一等兵、第4章は、幕田稔大尉・平手嘉一大尉、第6章は「直江津捕虜収容所事件」の秋山米作軍属・関原政次軍属・青木勇次曹長、第7章は、満島捕虜収容所関係で処刑された土屋達雄(本書では名を伏せている)・中島裕雄大尉・平松貞次軍属、第8章は「鴨緑丸事件」都子野順三郎大尉、福原勲大尉(大牟田捕虜収容所所長)のそれぞれの妻や父母らへの取材をまとめている。
簡素過ぎて説明不足の叙述が散見されるが、全体的には、なかなかよい。平易に書かれているので中学生などにもおすすめ。
[関連・参考]
『償いは済んでいるー忘れられた戦犯と遺族の歴史』上坂冬子(2000・講談社+α文庫)
由利敬裁判(Wikipedia)
石垣島事件(Wikipedia)
直江津捕虜収容所事件(Wikipedia)
土屋達雄裁判(Wikipedia)
[キーワード]
大牟田俘虜収容所